契約期間
ついにやり遂げた
ライスシャワー「お兄さま、ライス、勝ったよ!」
トレーナー「すごいぞライス!本当におめでとう!」
ライスシャワーは初代URAファイナルズのチャンピオンになった。
思えば苦労の日々だったが、この勝利でついに報われたと言えよう。
ライスシャワー「ウイニングライブ、頑張ってくるね!」
トレーナー「ああ、はしゃぎすぎて怪我しないようにな」
ライスシャワー「も、もう、お兄さまったら、そんなことしないよう」
ライスシャワーは赤面しながらライブ会場に向かっていった。
この3年なんて遠い回り道だったろう。なんどライスシャワーが挫けそうになり、自分が支えてきたか。
だが、これも人生経験として、自分を成長させてくれるだろう。
ライスシャワーのウイニングライブが終わり、俺たちは控室に戻った
ライスシャワー「お兄さま、次はどのレースにでようか?またライスの走りでみんなを笑顔にしたいの」
トレーナー「次?そんなもの考えてないよ。だって3年の契約はもう今日で切れるだろ?」
ライスシャワー「え…嘘だよね、お兄さま…?」
トレーナー「俺が三年間のどれだけ苦労してきたか…常にメンタルの安定しないウマ娘を鼓舞するのにどれだけ心労にひびいたか。
俺が周りからどう呼ばれてるか知ってるか?ロリコンお兄さまだとよw
そりゃそうだよな。いくらライスから呼びたいと言い始めたとはいえ、気の弱いライスに呼び方を強要してると思われても不思議じゃない。」
ライスシャワー「そ、そんな…」
トレーナー「ブルボンの3冠阻止とマックイーンの春天三連覇阻止の際もどれだけ誹謗中傷されたか。俺だってヒールじゃないウマ娘を担当したかったよ」
ライスシャワー「ご、ごめんなさい…うう…」
トレーナー「そうやってすぐ泣くよな。泣けば許されると思ってるの?
それにお前は小柄でフィジカル的に厳しい。それを無茶なトレーニングでブルボンとマックイーンを倒すところまで持っていった。今回のURAなんとか勝てたが、あの時よりお前のパフォーマンスは落ちてる。お前のポテンシャル的にもうこれ以上伸びようがないし、そんなウマ娘担当してなんの意味がある?」
ライスシャワー「見捨てないで…なんでもするから…」
トレーナー「お前の相手はもう疲れた…俺は新人でありながら小柄でメンタルの不安定なウマ娘を育成した実績を手に入れた。お前を担当し続けるメリットなんて微塵もないんだよ」
トレーナーはそういうと控室を去った。
一週間後、ライスシャワーの訃報がニュースを賑わせた。駅のホームで飛び込み自殺をしたとのことだ